魔法をかけられたディズニー・アニメーション作品の数々
<エリア2>魔法のはじまり~あくなき研究と開発の日々~
ここで表現されている「魔法」とはアニメーションにおける「技術」のこと。
視覚、音、心、自然、旅という5つのテーマにおける魔法の数々に出会えるエリアです。
「視覚の魔法」では『ピノキオ』(1940年)をピックアップ。コスト度外視で開発されたマルチプレーン・カメラで撮影されたという、ピノキオたちが朝の街を練り歩くシーンが紹介されていました。
カメラがズームするかのような奥行きはこの手法で表現されていたんですね。多くの方が「へー!」と声をあげていましたよ。
「音の魔法」では『ファンタジア』(1940年)をピックアップして、サラウンドシステムの先駆けとなった「ファンタサラウンド」を紹介。
この作品では音を視覚的に描くという斬新な手法が使われたそうで、その説明とともに、実際のアニメーションがありました。
ディズニー・アニメーション作品は映像だけでなく、映像音楽の進化ももたらしたことを知ることができる展示です。
「心の魔法」では『ダンボ』(1941年)をピックアップ。
話すことができないダンボをしぐさや表情、涙などで豊かな感情表現を再現したことを紹介。ダンボの表情をより深く味わえる展示です。
「自然の魔法」では『バンビ』(1942年)を描くためにスタジオに本物の鹿を飼い、骨格の動きなど鹿の動きを徹底的に研究したというエピソードが綴られ、映像で紹介されていました。
「旅の魔法」では現地に行って観察・取材・調査するフィールドトリップによって描かれた『ラテンアメリカの旅』(1943年)を紹介。リアルな経験をアニメーションに落とし込むことで、より深みのある作品を実現したそうです。
ディズニー作品はこのように毎回、進化しているからこそ、見る人に感動を与えるのですね!
<エリア3>作品世界のひろがり 魔法の使い手たち~表現の多様化と広がる世界観~
ディズニー・アニメーション作品を進化させた、ユニークな描写スタイルを持つアーティストたちに焦点を当てたエリアです。
メアリー・ブレアによるカラフルな色彩や、ウォード・キンボールの奇想天外なシーンなどを『ふしぎの国のアリス』(1951年)を用いて紹介したり、フランク・トーマスが描いた二匹の犬がスパゲッティーを食べながらキスをする『わんわん物語』(1955年)の名シーンを原画とアニメーションを比較する形で紹介するなど、アーティストの素晴らしい技術を目の当たりにできるエリアです。
『ジャングル・ブック』(1967年)では、声を担当した俳優の演技やクセをアニメーションに刷り込むことで、人間味あふれるキャラクターたちが生まれたそうですよ。
こだわりがすごいですね!
ディズニー・アニメーション作品は想像力と技術力の積み重ねのたまもの
<エリア4>新たな次元へ~デジタル、ミュージカルの海へ~
1990年代のデジタル革命により映像技術が進化するとともに、一流ミュージシャンが参加し、音楽で物語をつむぐ「ミュージカルスタイル」が確立されました。ここではその展示を見ることができます。
第62回アカデミー賞で作曲賞と歌曲賞を受賞した『リトル・マーメイド』(1989年)や、ヒロインのベルと野獣が舞踏会場で踊るシーンが有名な『美女と野獣』(1991年)など、名曲と名シーンがどのように生まれたかを知ることができます。
『ライオン・キング』(1994)の展示では、最新技術で撮影されたヌーの大群が暴走するシーンをピックアップ。ケニアでのフィールドトリップについても紹介されていました。
その他に、先住民族や研究家に話を聞くなど丁寧なリサーチを重ね作られた『ポカホンタス』(1995年)、最新の3DCG技術で自由自在に動き回るシーンを描いた『ターザン』(1999年)、中国の古典的な絵画を参考に作られた『ムーラン』(1998年)という、最新技術を駆使して作られた作品たちが紹介されていました。
最新技術と秀逸な音楽が紡ぐ物語は、私たちに多くの感動を与えてくれました。改めて、ディズニーのクリエイターたちに感謝を伝えたいと感じました。
<エリア5> いのちの新時代 つながるいのち~多様な社会や地球の未来に向けて~
ここからは、まるで映画の中に紛れ込んだかのような派手な展示が続きます。
『塔の上のラプンツェル』(2010年)のコーナーでは、最新の技術を駆使しながらも、伝統的な手書きの質感を大切に制作されたというこだわりを垣間見ることができます。
『シュガーラッシュ』(2012年)のコーナーでは映画内で描かれた3つの世界観を差別化するために作られた「カラースクリプト」が展示してありました。
また、食べられるお菓子で作られたジオラマも展示してありますよ。美味しそう!
劇中の雪や氷を表現するために約2,000種類もの結晶モデルをCGで作ったという『アナと雪の女王』(2013年)。アナが氷になってしまうシーンのストーリースケッチとアニメーションが展示してありました。
『ベイマックス』(2013年)のコーナーでは光の表現について紹介。ここにある、大きなコンセプト・アートは必見です!
そして、記憶も新しい『ズートピア』(2016)と『モアナと伝説の海』(2016)で使われた最新技術を紹介、展示!
『モアナと伝説の海』のアイデアが生まれてから、作品が完成するまでの長い道のりをボードにて紹介してありました。一つの作品を作るために、どれだけ多くの人が関わり、どれだけのこだわりを持ち、どれだけ時間をかけて制作されたのかが理解できるボードです。
ディズニーには、今も昔も変わらないメッセージがあります。それは「想像力と技術力の積み重ねこそ、多くの人々の夢や希望を描き、未来へと、いのちへとつなぐ」ということ。この最後のエリアではディズニーが未来につなげたい想いに触れることができ、感動的なラストを迎えました。
こだわりがスゴいからこそ、人の心を動かす作品となるのですね。
改めて、ディズニー・アニメーション作品の本質に触れられた機会となりました。
「ディズニー・アート展」大阪展は大阪市立美術館にて2018年1月21日まで。
今しか見られないディズニー・アニメーション作品の奥深さをぜひ味わってください!
【INFO】
ディズニー・アート展 いのちを吹き込む魔法
大阪市立美術館
■会期
2017年10月14日(土)~2018年1月21日(日)
■開館時間
9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
■休館日
月曜日(12月25日、1月8日は開館)、
12月28日(木)~1月2日(火)、1月9日(火)
※災害などにより臨時で休館となる場合あり。
■会場
大阪市立美術館
〒543-0063 大阪市天王寺区茶臼山町1-82
■公式ホームページ
http://www.ytv.co.jp/da-osaka/
■お問い合わせ
大阪市総合コールセンター なにわコール
06-4301-7285
8:00~21:00 年中無休
<主催>
大阪市立美術館、読売テレビ、読売新聞社
<協賛>
大日本印刷、非破壊検査
<協力>
日本航空、日本通運
<企画協力>
日本科学未来館
<特別協力>
ウォルト・ディズニー・ジャパン
<企画制作>
ウォルト・ディズニー・アニメーション・リサーチ・ライブラリー
※本ページ掲載内容は2017年12月28日時点での情報によるものです。
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