キャララボ

作品名：新選組！

理想の上司度：★★★★★

　元治元年、京都で近藤勇、土方歳三率いる新選組は不逞浪士の取り締まりに出動。長州藩の桂小五郎は取り逃がしてしまったものの沖田総司などの活躍により大きな成果を挙げる。この事件を聞いた坂本龍馬は10年前の江戸での出来事を思い出す−−。

　『新選組！』は2004年にNHKで放送された大河ドラマ。主演・香取慎吾、脚本・三谷幸喜のオリジナルドラマで、近藤勇を主人公とし激動の幕末に未来を信じて生きた、新選組の志士たちを描いています。DVDは8億円のヒットとなるなど、若い世代にファン層を広げた作品です。2006年には正月時代劇として、大河ドラマでは異例の続編制作となる『新選組!! 土方歳三 最期の一日』が放送されました。

　『新選組！』の近藤勇は、農家の出身故に人一倍武士らしくありたいと志す、誠意の塊のような人物です。卑怯なことや道理に合わないことを好まず、時に辣腕をふるう土方をたしなめる場面も。新選組の局長として様々な武人達との交流を隔てながら、山南の脱走や切腹、伊東や藤堂ら御陵衛士の分裂など様々な悲しい別離に苦悩しながらも歩み続けます。一度は袂を分かった伊東と和解したのも、まっすぐな志を持つ近藤だからこそできることではないでしょうか。正体を明かせば殺されるかもしれない、新政府軍の有馬の前で自身の「誠」を力強く言い放つ場面や、土方含む隊士達の「近藤勇が死んでは意味が無い」と必死に呼びかける場面からも皆が近藤を尊敬していることが分かります。理想の上司度は文句なしの星5つ！

作品名：銀魂

理想の上司度：★★☆☆☆

　江戸時代末期、地球は「天人（あまんと）」と呼ばれる宇宙人の襲来により、衰退の一途をたどっていた。江戸幕府は天人の傀儡政権（かいらいせいけん）と化し、町には天人が我が物顔で闊歩するようになった。

　そんな『銀魂』（空知英秋／集英社）は『週刊少年ジャンプ』で2004年から連載されているSF人情なんちゃって時代劇コメディーマンガ。天人との戦いである攘夷戦争（じょういせんそう）の生き残り、坂田銀時と仲間たちが繰り広げる笑いあり、涙ありの日常を描いています。コミックスは累計発行部数5500万部を超え、昨年8月には実写映画の第2弾も公開されました。

　『銀魂』の近藤勲は周りからゴリラと呼ばれ、意中の女性にストーキングをして撃退されるなど三枚目キャラとして扱われることが多いです。しかし一方、お人好しで人情味にあふれ、職を失った荒くれ者達を集めて真選組を旗揚げし、さらに局長として隊士をまとめ上げる器量も持っています。また剣術の腕もアニメ内では相手の刀を折るだけでなく、鎧さえも切り裂く程の斬撃を披露する場面もあり、隊士からは信頼されています。しかし、如何せん何かあれば脱ぐ、執拗なストーカー（本人的には愛の狩人）などという問題行動から胸を張って「尊敬できる」と言い切れないこともあり、理想の上司度は星2つです。

いかがでしたか？

近藤勇をモチーフにしたキャラクターは全体的に体格が良く、頼れる大将といったイメージが多いようですね。史実から大きく外れるような描写は少なく、人間関係においても土方との信頼関係がよく見られました。また加藤清正と同じく拳を口の中に入れられたという描写もたびたび登場し、豪傑な清正に憧れていたという近藤の性格をよく表しています。